沖縄県の健康状況
沖縄県の健康に関する状況については多くのメディアを通し、警鐘が鳴らされている状況です。
沖縄県では、平成14年(2002年)より、「健康おきなわ2010」、平成20年からは「健康おきなわ21」といった、健康長寿を取り戻すための行動計画が県でも行われていますが、まだまだ期待される成果は上がっていません。
各種の行政資料を基に、沖縄県の健康に関する問題点を紹介します。
沖縄県の健康に関する課題
現状の課題として考慮するべきものに、「平均寿命」と「健康寿命」があります。

統計上は、男女ともに平均寿命の延びは全国平均と比較して低く、上記の表よりもさらに状況は悪くなっています。最新の統計では、平均寿命において男性36位、女性7位(平成27年都道府県別生命表より)となっています。「沖縄県は健康長寿県である」というイメージは過去のものとなっている状況です。
健康寿命は、WHOが2000年から提唱した概念で、「平均寿命から不健康な期間を除き、一生のうち何年を健康な状態で生きられるか」を示す指標です。平成22年段階では、男性70.81歳、女性74.86歳となっており、同年調査の平均寿命との差異を計算すると男性で8.59年、女性で約12.16年の不健康な期間があることになり、人生の10%以上は不健康な状態で過ごしているということを意味します。
沖縄県では、平均寿命における延びの低迷の原因として、20~65歳の働き盛り世代における死亡率の高さを挙げています。全国平均に比して特に男性の死亡率が高くなっており、平均寿命を押し下げる原因となっています。

この世代における主要な死因において全国ワーストの結果が多いことが背景となっていると見られており、主なものは次の表の通りです。

こうした内容を受けて、現在、沖縄県の行動計画である「健康おきなわ21」においては、、主な健康対策の方向性を
- 特定健診・がん検診の受診率向上
- 肥満の改善
- アルコール対策
に置いて、対策を検討・実施しています。
また、より具体的な健康改善の方向性として、
- 食生活
- 身体運動
- 休養・こころの健康
- タバコ・COPD
- アルコール
- 歯・口腔の健康
- がん
- 生活習慣病
の観点からの啓蒙・健康増進活動が行われています。

RHOのアプローチ
RHOでは、沖縄県の健康状況の改善のためのアプローチとして、「生活習慣の改善」に特に着目しています。
先の表で、年代によっては沖縄県が全国ワーストとなっている項目(「がん」「循環器疾患(脳血管疾患、心疾患など)」「腎不全」「肝疾患」)の多くが、生活習慣に起因する疾患であり、生活習慣の改善で、疾患の予防や、症状の緩和・改善効果を期待することができます。
加えて、「糖尿病」や「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」などの代表的な生活習慣病、歯・口腔の健康の維持なども生活習慣の影響が大きいものであり、より広範な健康効果を期待できます。
しかし、生活習慣の改善は簡単ではありません。
生活習慣の改善を妨げる要因として、「知識の不足」「意志の不足」「環境要因」「依存物質による阻害」が考えられ、経済・教育・文化など特殊な事情を多く抱える沖縄県においては、特にこうした要因を取り除くことが重要であると考えます。
健康に配慮した生活習慣を知り、また何が健康を害するリスクがあるのかを知ることは、自身の生活習慣を健康的なものに改善するために必要不可欠です。
RHOでは、健康に関する情報提供をはじめとして、沖縄の健康増進のために各種の活動を行っていきます。