「病院嫌い」のための「病院の通い方」 第2回

「病院嫌い」のための「病院の通い方」02

体調が悪くなり、病院に行ってみたら、
受付から30分待って、診察は5分で終わった。

しかも、他の病院を紹介された。

そんな経験がある人もいると思います。

これは病院側の問題と言うより、
病院における医療のシステムが、
正しく理解されていないためと思われます。

「病院嫌い」のための「病院の通い方」第2回は、
病院の「種類」についてお話します。

病院とクリニック(診療所、医院)

医師による診察

まず、病院と縁通い人の多くは、
病院とクリニック(診療所、医院)の違いがわかりません。

これらは同じく医療機関と言われるものですが、

「病院」は複数の診療科と20以上の病床(ベッド)を持ちます

「クリニック」は病床が20未満のところを言います

簡単に言うと、規模感が違います。

また、病院の場合、ベッドがあるだけではなく、
検査や高度治療、入院治療に伴う器具を多く有します。

そのため、病院はクリニックと比較して、
運営にお金がかかるのは仕方ありません。

見た目はきれいでしっかりした病院が赤字で、
町の小さな古い診療所が黒字経営というのはよくある話です。

そのため病院はクリニックより少数なのです。
医療機関の名称も注意して見てみてくださいね。

 

正しい病院の選び方は「クリニック」が先

何か不調があって医療機関を受診する際には、
まずは身近な「クリニック」を受診しましょう。
もちろん、同義の「診療所」や「医院」でも構いません。

現在の医療の仕組みにおいては、
「病院」は重度の疾患や緊急対応を要する患者を対象にし、
「クリニック」は軽度疾患の患者を対象にしています。

クリニックで対応できない疾患や状況があれば、
病院や専門の診療科を持つクリニックに
紹介状を書いて繋いであげる役割をします。

いわゆる「かかりつけ医」の立場になることが、
この近場のクリニックの役割なのです。

しかし、この仕組みを知らず、

「大きい病院がやはり安心だろう」

「クチコミではあの病院がいいらしい」

と、最初からクリニックを飛ばして
病院を受診しようとすると冒頭のようなことになります。

他の患者さんは重度なために検査や問診も長く、
時には緊急度の高い患者のために後回しにされます。

さらには、紹介状が無い場合には、
受診そのものを断られてしまったり、
「初診時選定療養費」を請求されることもあります。

先述したように、病院の役割としては、
重度の患者や緊急性の高い患者への対応であり、
そのための機器や設備、スタッフを準備しています。

一般的な軽い症状の患者の検査や治療に用いるには、
設備が過分となって赤字になってしまうだけでなく、
本来対応するべき患者に対応できなくなってしまいます。

初診時選定療養費というのは、
そういった状況下にある特定の病院へ患者の集中を防ぎ、
運営を助ける目的で合法的に設定できる費用です。

一般的には5,000~10,000円程度の設定が多いですが、
保険の適用外ですので、治療費より高くつくかもしれません。

だからこそ、順を追って治療を受ける必要があるのです。

病院はさらに色々ある

さて、「病院」と言っても、その機能はさらに様々です。

高度医療を提供し、研究開発も行う「特定機能病院」

地域のクリニックを支援・補完する「地域医療支援病院」

主に病院のがん医療をサポートする「がん診療連携拠点病院」

救急の重篤患者に対応する「救命救急センター」

などなどが代表的ですが、その他にも様々なものがあります。

さしあたりは医師の紹介を受けていくのが良いですが、
救急の対応が必要と思われる場合もあります。
その時は、救急に対応している以下の病院に連絡しましょう。

本島南部の救急病院

  • 南部病院 〒901-0362 糸満市真栄里870 TEL 098-994-0501
  • 豊見城中央病院 〒901-0243 豊見城市字上田25 TEL 098-850-3811
  • 沖縄協同病院 〒900-0024 那覇市小波蔵4-10-55 TEL 098-853-1200
  • 南部徳州会病院 〒901-0417 八重瀬町字外間171-1 TEL 098-998-3221
  • 沖縄第一病院 〒901-1111 南風原町字兼城642-1 TEL 098-888-1151
  • 県立南部医療センター 〒904-1105 南風原町字新川118-1 TEL 098-888-0123
  • 沖縄赤十字病院 〒902-0076 那覇市与儀1-3-1 TEL 098-853-3134
  • 大浜第一病院 〒900-0005 那覇市天久1000 TEL 098-866-5171
  • 大道中央病院 〒902-0067 那覇市安里1-1-37 TEL 098-869-0005
  • 那覇市立病院 〒902-0061 那覇市古島2-31-1 TEL 098-884-5111
  • 浦添総合病院 〒901-2132 浦添市伊祖4-16-1 TEL 098-878-0231

本島中部の救急病院

  • 牧港中央病院 〒901-2131 浦添市牧港1199 TEL 098-877-0575
  • 琉球大学医学部附属病院 〒903-0125 西原町字上原207 TEL 098-895-3331
  • ハートライフ病院 〒901-2417 中城村字伊集208 TEL 098-895-3255
  • 宜野湾記念病院 〒901-2211 宜野湾市宜野湾3-3-13 TEL 098-893-2101
  • 中部徳州会病院 〒904-0011 沖縄市照屋3-20-1 TEL 098-937-1110
  • 中頭病院 〒904-2143 沖縄市知花6-25-5 TEL 098-939-1300
  • 県立中部病院 〒904-2243 うるま市宮里281 TEL 098-973-4111

本島北部の救急病院

  • 県立北部病院 〒905-0017 名護市大中2-12-3 TEL 0980-52-2719
  • 北部地区医師会病院 〒905-0006 名護市字宇茂佐1712-3 TEL 0980-54-1111

宮古地方の救急病院

県立宮古病院 〒906-0007 宮古島市平良東仲宗根807 TEL 0980-72-3151

八重山地方の救急病院

県立八重山病院 〒907-0022 石垣市大川732 TEL 0980-83-2525

(救急医療にも重症度に応じては、上記の病院で対応できないこともあります。対応状況は各病院にご確認ください)

病院へ行こう

このように提供する医療の目的に応じて、
病院の機能・役割が決まっていますから、
「診療科目がたくさんあるから大きな病院へ」というのは、
本当に必要な医療を受けるべき人の妨げになってしまいます。

「タクシー代わりに救急車を使うべきでない」

というのも、これと同じ理由です。

まずはクリニックを受診し、必要に応じて、
より高度な医療を提供することのできる中核病院などに
エスカレーションしていくのが正しい順番なのです。

一般人の多くは、どの病院がその病院がわからないでしょう。
だから、かかりつけ医から紹介をもらうのが一番です。

「総合病院」はもうほとんどありません

それでもやはり、

「何科に行くべきかわからないし」
「たらい回しをされても楽に回りたい」
「近くのクリニックとは相性が悪い」
「大きい病院は安心」

などの理由で、病院を選びたい人もいると思います。

一昔前は「総合病院」を名乗るには、
病院に一定の基準が医療法で求められていましたが、
今は名称に関する規定が無くなっています。

そのため「総合病院」と名乗っていても、
求めている医療を提供しているかわかりません。
必ず診療科や入院施設などの可否を確認しましょう。

また、法改正によって、
紹介状無しで特定機能病院を受診すると、
受診すらできない可能性があるので注意してください。

ただ、やはり医療機関は近くにまとまっていると便利で、
最近は複数のクリニックをひとつの建物や敷地にまとめた、
「メディカルビル」の形の医療施設が沖縄では増えています。

近くに複数の診療科がありますから、
互いに紹介もしやすく、また患者にとっても、
再受診や検査で余計な時間を使う必要がありません。

病院選びで難しいことを考えたくない人は、
医療機関の最初の選択肢として、
メディカルビルにあるクリニックを選ぶのは、
悪くない選択ではないかと思います。

今日のまとめ

  • 「病院」と「クリニック」は役割が違う
  • 軽い症状ならまずは「クリニック」へ
  • 重症時や高度医療が必要なら「病院」へ
  • 病院には特定の機能を持つ病院もあるので注意
  • 難しく考えたくない人はメディカルビルを利用する

この記事を書いた人

平良俊也
RHO代表。沖縄県出身。
コンテンツライター兼Webエンジニア。
職業柄見えるメディアの健康・医療情報の取り上げ方に問題意識を抱き、RHOの活動に参加。
現在、幼少の頃から染みついた不摂生な生活習慣の改善に挑戦中。