みなさん、トランス脂肪酸って聞いたことありますか?
高校生の方々なら、もしかしたら化学の授業で聞いたことあるかもしれませんね。
トランス脂肪酸は脂質のうちの不飽和脂肪酸に分類されます。
具体的には、マーガリン・ショートニング・ファットスプレッドに含まれます。
これらはよく耳にする、身近な食材ですよね。
「毎朝パンにマーガリン塗って食べてます」という方もいらっしゃるのでは?
しかし今、このトランス脂肪酸の摂りすぎが、健康障害に繋がると言われています。
世界では、すでに2003年に国際機関(WHO/FAO合同専門家会合)で、食品から摂るトランス脂肪酸の目標値を公表していました。
しかし、日本ではまだあまり認知されていないように感じます。
なので、今日はこのトランス脂肪酸について少しだけ紹介しますね。
トランス脂肪酸とは
冒頭でも少し紹介しましたが、トランス脂肪酸とは、脂質のうちの不飽和脂肪酸に分類されます。
トランス脂肪酸は、天然の食材(牛肉・羊肉・牛乳など)に含まれているものもありますが、一般的に使用されているものは、工場で加工されて作られた人工的なものです。
どうやって作るかというと、常温で液体の植物油や魚油を固形にするために、
「水素を添加」して作られます。
こうして作られたトランス脂肪酸、実はプラスチック・石油に非常によく似た化学式となります。
・・・あまり体には良くなさそうな感じがしませんか?
具体的にどのような影響があるのかは、次回にご紹介します。
世界での取り組み
世界の国の中では、北・南米諸国、オーストラリア、韓国、台湾、香港、マレーシアでは既に飽和脂肪酸の表示を義務付けています。
しかし!日本ではまだ表示の義務化はされていません。
世界保健機構(WHO)では、人工のトランス脂肪酸を2023年までに世界から無くす取り組み、「Make the world trans fat free by2023」のために、2018年5月14日ガイドラインを発表しています。
ガイドラインは6つのステップの頭文字からなる「REPLACE」と名付けられました。
Review :トランス脂肪酸の供給源と情勢をレビュー
Promote:健康的な油脂への切り替えを推進
Legislate:排除の法制化
Assess:トランス脂肪酸の内容や消費変化を評価
Create:トランス脂肪酸の健康の悪影響について啓発
Enforce:政策と規制の遵守を強化
日本でもトランス脂肪酸の認知度が上がり、人工的なトランス脂肪酸がなくなるよう願っています。
次回は「トランス脂肪酸の健康への影響」を具体的にご紹介しようと思っています。
健康があってこそ、日々当たり前の生活を送ることができます。
自分だけでなく、周囲の大切な人のためにも、『健康管理!』頑張っていきましょう!
参考
WHO 「WHO plan to eliminate industrially-produced trans-fatty acids from global food supply」
「RHO3分健康講座」
この記事を書いた人
三上華奈
RHO副代表。琉球大学在学中からRHOの活動に参加。
琉球大学医学部医学科を卒業し、現在は大阪で医師として勤務。